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“オールブラック”誕生10周年を祝福する 贅沢なサファイアケース


黒文字盤の腕時計は、今や特に珍しいものではない。そもそもブラックはフォーマルウエアの基本色であり、ドレスウォッチではお馴染みだ。また計器としての腕時計、つまり航空機のコックピットクロックやミリタリーウォッチにも、ブラックダイヤルが最も多く採用されてきた。

これは蛍光塗料を塗布したインデックス、針との組み合わせで最高の視認性が実現できるからだ。こうした経緯と機能的で精悍なイメージを受けて、スポーツウォッチの世界でも、ブラックが文字盤の定番カラーのひとつとなった。

だが2006年、黒文字盤の腕時計の世界に、革新的なスタイルが誕生した。ウブロの「オールブラック」である。仕掛け人はこの2年前、創業者に代わりブランドのCEO(最高経営責任者)に就任した時計業界のカリスマ経営者、ジャン-クロード・ビバーだ。

革新的なアイデアで、あらゆる腕時計から新鮮な魅力を引き出してきたビバーは、1980年の創業以来続いてきたウブロの「フュージョン(融合)」というブランドコンセプトを踏襲しつつ、カーボンやセラミックなど最新の素材の導入で「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」へと発展させ、ウブロを再定義。最も旬なブランドへと劇的に進化させた。

そして彼がブラックウォッチの新しいスタイルとして提案したのが、「インヴィジブル・ウィジビリティ(見えない可視性)」というコンセプト。ケースやストラップはもちろん、文字盤の上にある時を知るために欠かせない視認性に重要なインデックスのアラビア数字や針までモノクロームで統一。その結果、誕生したのが精悍さと共にシックで知的な印象も漂う「オールブラック」シリーズだ。時計は見えるが、近くで見なければ、時刻を読み取ることはできない。

この意外性が何とも新鮮で斬新だった。この「ビッグ・バン ウニコ サファイア オールブラック」は、コレクション誕生10周年を記念する最新モデル。

スモークカラーのサファイアクリスタルをベゼルとケースに採用することで、上下左右から自社製クロノグラフムーブメント“ウニコ”が「見える」一方で、時刻はやはりすぐには「見えない」。哲学的な遊び心を、最新の素材と技術で美しく表現した、オールブラックの集大成と言える名作だ。

ビッグ・バン ウニコ サファイア オールブラック

スモークカラーのサファイアクリスタルのブロック。ダイヤモンドの次に硬くて加工が困難なこの素材から削り出した、複雑な形状で美しい透明なケースに、ブラックスケルトンのグラスファイバー文字盤、ブラックスケルトンのシリコンストラップを組み合わせた“オールブラック”スタイル誕生10周年記念モデル。「見えないけれど見える」コンセプトをさらに進化させた前衛的な新作だ。世界限定500本。5気圧防水。自動巻き。ケース径45mm。722万5200円

表裏ともにシースルーのケースからは、ウブロが自社開発製造するフライバック機構付きのクロノグラフムーブメント「ウニコ」の美しく精密な姿、作動する様子がいつでも鑑賞できる。

Photographs:_HISASHI WADANO

2016年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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