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ロールスロイス製のSUVで米国セレブの憧れの土地を走った

2019年も高級SUVが市場をリードしそうな予感

2018年から19年にかけて、自動車界ではSUV人気が衰えていない。とりわけニュースは高級ブランドの参入だ。その代表的なものが、ロールスロイスによる「カリナン」である。

私はこのクルマに米国のリゾート地であるワイオミング州ジャクソンホールで試乗した。そのときの印象はいまも鮮烈だ。全長5.3メートルを超えるサイズの車体に、6.75リッターV12エンジンと、コンセプトじたいに余裕がある。

外観は独特で、スタイリッシュかどうかは意見がわかれるところだけれど、ロールスロイスのデザイナーによると「なにより大事なのは他車との差別化」ということだ。一目見てロールスロイスと分かることが重要だそうだ。

もちろん走らせても、ロールスロイスのセダンと通じる”味”がしっかりあるのに感心した。その理由は、「エフォートレス、エブリホエア」。どんな場所でも変わらず走れること、というロールスロイスのクルマづくりの哲学に忠実だからだろう。

エフォートレスの第一点は、850Nmという大トルクを1600rpmという低い回転域から発生するエンジンの設定だ。わずかにアクセルペダルを踏んだだけで、力強い加速を味わわせてくれる。

ラフロードでも”エフォートレス”だ。「オフロード」というボタンを一押しすると車高も上がる。ロールスロイスで荒れ地は初めての体験だったので興味しんしんだったが、公道をセダンで走るのとかなり近いのに感心した。

電子制御ダンパーを組み込んだサスペンションシステムは、路面の凹凸で車体が上下に動くのを効果的に抑制しているのだ。岩がごろごろしているスキー場のゲレンデをのぼっていったが、後席の乗員が舗装路だと思ったとしても不思議ではない乗り心地である。

マジックカーペットライドというのがロールスロイス車がつねに目指している快適な乗り心地の表現だ。カリナンは車高があがったぶん、サスペンションの動きに制約が出るのではと懸念していたが、ちゃんと魔法のじゅうたん的な、あたりのやわらかい乗り味が実現していた。

ロールスロイス車は、走るための道具というより、乗るための道具ではないかと私は思っている。その違いは、移動中の車内の快適性にある。カリナンもすばらしく豪華で、かつ、車内のデザインは他車にない個性に満ちている。

SUVなので自分で運転を楽しむクルマだと考えていたが、後席にも多大な注意が払われていて、観音開きのドアから乗りこむと、リムジンなみの居心地のよさなのだ。

広さに加えて、航空機の上級シートのようにインフォテイメントシステムが充実しているし、オフィスとしての機能も果たす。シャンパンクーラーを取り付けることも可能だ。プライベートジェットで移動しているひとにとって、陸地ではいいパートナーになるだろう。

助手席のダッシュボードには美しいデザインのアナログ式時計が取り付けられているのも、最近のロールスロイスの”伝統”に忠実だ。一言で言うと、品のいい乗り物だ。価格は3894万5000円である。

1.全長5341ミリ、全幅2000ミリ、全高1835ミリのボディに420kW(571ps)の最高出力と850NmのV12ツインターボエンジンを搭載した四輪駆動だ

2.デザイン用語では「バッスル」と呼ばれるリアスタイルが特徴的だ

3.高い着座位置をのぞけばロールスロイス車に共通のテーマをもったダッシュボードにアナログ式時計がはめこまれている

4.写真はラウンジシート仕様で、もうひとつセパレートシート仕様もある

5.後席用にモニターが2つ用意されている

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

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