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近年盛り上がりを見せている日本のジャズ、通称J-JAZZのムーブメント

writer : 西崎ゴウシ伝説
Calmera(カルメラ)


Chris Bair
日本のジャズ、通称J-JAZZが近年盛り上がりを見せています。
かく言う私自身もCalmeraというインストジャズバンドのリーダーをしているので、ある意味「中の人」的な角度からシーンを見ることが出来ております。
CDが売れなくなって「音楽シーンに元気がない」と言われる時代ですが、そんな中J-JAZZは特に盛り上がりを見せており、若手ジャズバンドのライブ会場に足を運ぶ方も多くなっております。
ライブとなると少しハードルがあがる方も多いと思いますが、私の見ている限りでは、下は10代から上は50〜60代の方まで幅広い年齢層がフロアで生演奏を楽しんでおられます。

日本においてのジャズといいますと、40代以降の方は、80〜90年代のフュージョンブームを率先したカシオペアやT-SQUAREなどを思い浮かべると思いますが、90年代中盤〜2000年代序盤になってくるとイギリスの一大ムーブメント「アシッドジャズ」の影響も大きい、United Future OrganizationやKYOTO JAZZ MASSIVE、DJの須永辰緒など、クラブサウンドとジャズを融合したクラブジャズが賑わってきます。
打ち込みやサンプリングを多用するのが主流のクラブジャズの中、生演奏に拘ったSOIL&”PIMP”SESSIONS、PE’Zなどがライブハウスや野外フェスを賑わせていきます。

そもそもジャズという音楽は、ミュージシャン同士がセッションで楽しんだところが原点にあるので、現在も多くのジャズミュージシャンは固定のバンドに入ることなく、その日その日の編成で演奏するのがほとんどなのですが、そんな中、固定のメンバーでバンドとして活動することによって、高い演奏技術でセッションするのと並行して、メンバー同士の意思疎通や互いの音楽感の共有、そして何より事前に綿密な打ち合わせもしやすくなり、単純にセッション中のミスコンタクトも無くせるので、より高い水準の音楽を作りだすことが出来るのが、大きなメリットなので、SOILやPE’Zの人気に繋がっていったのだと思われます。

それらのクラブジャズに影響を受けたバンドが活躍する現在のライブシーン


Jens Thekkeveettil

その次の世代。それらのクラブジャズに影響を受けたバンドが多数、現在のライブシーンにおいて活躍しております。
結成以来10年以上インディーズシーンで圧倒的な演奏力を見せ続けたTRI4THが満を辞して昨年11月SONYからメジャーデビューしたのも記憶に新しい。
JABBERLOOPの「シロクマ」という曲は今やダンスシーンでは欠かせないスタンダード曲になっていて、日本中の若い学生ダンサーが定番曲として踊っています。


さらに細分化すると最近はピアノインストジャズブームとも言われ、ピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成のfox capture planは、松たか子主演の2017年TBSドラマ「カルテット」、長澤まさみ主演の2018年のフジテレビドラマ「コンフィデンスマンJP」など、大ヒットドラマの音楽担当として定番になりつつあるし、固定メンバーの編成ではないですが、ピアノインストバンドADAM atも、キューピーマヨネーズのCMやNHKプロ野球テーマソングを担当したりと、各種のフェスに引っ張りだこで、今や飛ぶ鳥を落とす勢いです。

近年のSNSの発展などにより「誰かの何かの発言」の「言葉」を切り取って上げ足を取り合った各種の炎上などが日々ニュースになっていますが、インストバンドにおいては、その「言葉」を使わないので、企業やメディアが使いやすいというのも大きいでしょうし、何より、私自身もありますが、街から聞こえれヒットソングを聴いていると「この曲、好きだけど歌ってる人の声が個人的に好きじゃない」といった事は、よくある事だと思いますが、人間が生きていく上で一番多用しているコミュニケーションツールである「声」を使わないことによって、単純にメロディの美しさ、リズムやノリの軽快さなど、音楽的な部分がよりストレートに聞き手に入ってきて、純粋に音を楽しむことが出来るのも、近年の盛り上がりの要因だと考えています。

またジャズを地盤にしたバンドはインストゥルメンタルが多いですが、いわゆる歌モノとしても、近年、爆発的にヒットして昨年末紅白にまで出演したSuchmosも基本的にはアシッドジャズサウンドを軸にしているし、今最も話題になってると言っても過言ではないKing Gnuもバンド結成前は前述したようなミュージシャンとセッションしたりと地盤にしっかりジャズを持っている。


Lemonが大ヒットした米津玄師や、ここ数年一番売れているシンガー星野源も、一聴するとPOPSや歌謡曲の様に聞こえてると思いますが、音楽理論的にとてもジャズのセオリーに基づいた曲作りをしています。

ジャズという音楽は、そもそも演奏すること自体にも楽器のスキルが かなり必要なジャンルなので単純に楽器の練習量も必要だし、その分、音楽に愛情を注ぎ、音楽に多くの時間を費やさないと、音楽理論的にも高度な知識が必要になるので、作曲も演奏も難しいジャンルです。

今の音楽シーンが、かつてないほど面白い

ネット時代になり、音楽も多様化しリスナーが自由に好きなものを選べるようになった現在、いわゆる大人が宣伝費を使って持ち上げて「売れているように見えた音楽」も、中身のないものは次々消えていく昨今、音楽に限らず、かつで売れることに必要だった「抜擢される運」の要素はどんどん減り、ある種、「ホンモノ」だけが厳選されて残っていく時代になり、隠れていたホンモノはSNSで発見され認知されていく。
前述したように音楽を本当に愛したミュージシャンが多い根っこの部分にジャズを持つアーティストがどんどん活躍するようになってきています。
日本に限らず、世界中の音楽で同様の現象が起きているので、冒頭に書いた「音楽シーンに元気がない」どころか、今の音楽シーンが、かつてないほど面白いと私は考えています。

青春時代に聴いたヒット曲しか今も聴かないという人も多いですが、ぜひジャズに限らず今の音楽シーンもチェックしてみるととても面白いです。
※文章の読みやすさを考えた末、各関係者や諸先輩の皆さんの敬称を略させていただきましたが、ご了承よろしくお願いいます。

writer : 西崎ゴウシ伝説

writer : 西崎ゴウシ伝説

エンタメジャズバンドCalmera(カルメラ)のリーダーでアジテーター。
楽曲によりボーカル、トランペット、パーカッション、ギター、キーボードなども担当する。
現在、占い師ゲッターズ飯田氏とのコラボレーションツアー「better fortune'n jazz2019」とアルバムリリースツアー「ThanX!!! Worldwide Tour 2019」を同時進行中。
2019年5月29日に11thアルバム「浪花OVER-BLOW」を発売予定。

<カルメラ official web>
http://www.calmera.jp

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