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PATEK PHILIPPE ブランドが誇るワールドタイム機構に、クロノグラフを載せた高度な合わせ技ウォッチ

昨日までの仕事の日々を忘れて、日本から遠く離れた隠れ家的な、お気に入りのあのリゾートアイランドへ行くとき。あるいは世界中の都市を忙しく駆け回るジェットセッターが心のよりどころにするビジネスの相棒として。

表紙の腕時計、パテック フィリップの「ワールドタイム・クロノグラフ Ref.5930」は、そんなあなたの時を刻むのに最もふさわしい逸品だ。時計愛好家が心から絶賛を惜しまないこのモデルは、世界の24のタイムゾーンの現在時刻がひと目で分かるワールドタイムと、垂直クラッチ機構を搭載したクロノグラフ、スイスの高級時計の頂点に君臨する同社が誇る2つの素晴らしいメカニズムが史上初めてひとつの腕時計に統合されたもの。

文字盤の中央に配置された、24時間リングに24のタイムゾーンの都市名を対応させるワールドタイム機構のアイデアは、ジュネーブの独立時計師ルイ・コティエが1935年に発明し、2年後にパテック フィリップが製品化している。

このモデルに搭載されているワールドタイム機構はこの歴史をふまえて2000年にパテック フィリップがさらに改良を加えたもの。ケース左上のプッシュボタンを押すだけで、中央の時分針が表示する都市の時刻を簡単に切り替えることができる。

そしてリューズの上下にあるプッシュボタンで操作するクロノグラフ機構は2006年に発表された最新のメカニズムで、起動時に針飛びを起こしにくい垂直クラッチ機構を採用。さらに操作には、複雑な形状でコストがかかるが、確実で心地良い操作フィーリングを実現するコラムホイールを採用する。しかも、この2つの機構が干渉せず、どちらの視認性もしっかりと確保したデザインの巧みさもこのモデルの秀逸なところだ。

これだけの機構を備えているとサイズも大型になりがちだが、このモデルは39.5㎜と比較的小さめ。旅に役立つ機械式時計で最先端の2つの複雑機構が1本で楽しめる贅沢さ。バカンスも良し、ビジネストリップも良し、なんとも旅情を誘う1本だ。

ワールドタイム クロノグラフ Ref.5930

2006年にパテック フィリップが発表した、同社では初の垂直クラッチを搭載する自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバーCH-28-520」に、傑作の誉れ高いワールドタイム機構を組み合わせた「キャリバーCH28-520 HU」を搭載する、スポーティなコンプリケーションモデル。1940年に顧客の要望に応えて世界でただ1本製作され、現在はジュネーブのパテック フィリップ ミュージアムに収蔵されている幻のコレクターズピース「Ref.1415/1」の歴史を継承するモデルでもある。自動巻き。18KWGケース。ケース径39.5㎜。ケース厚12.9㎜。アリゲーターストラップ。868万3200円。アワーグラス銀座店 問03-5537-7888

PhotographsHisashi Wadano TextYasuhito Shibuya

2018年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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