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CARTIER 優美でグラマラス、かつ大胆なスピリットを秘めたパワーウォッチ

多彩なカルティエのコレクションのなかでも特にアイコニックな「パンテール ドゥ カルティエ」。最初期の部類に入る作品は、1914年にシャルル・ジャコーがデザインした女性用のリストウォッチで、プラチナ台にオニキスとダイヤモンドで豹のパターンがあしらわれていた。

1930年代には気鋭のクリエイティブディレクター、ジャンヌ・トゥーサンによって、豹の姿態を生き生きと表現したハイジュエリーが作られた。ジャンヌの元で、デザイナーのペーテル・ルマルシャンはパリの動物園に足しげく通い、おびただしい数の豹のスケッチを描いたという。

以来、なまめかしく艶めいたパンテールのジュエリーは、エレガントな女性たちの心を虜にすることになった。第二次世界大戦の暗い影が薄れ、世界各国が経済的な成長に浮かれていた1980年代に入ると、カルティエはこの美しい猫科の動物を新たな次元に進化させた。

それが1983年に誕生した「パンテール ドゥ カルティエ」ウォッチだ。リアルな豹の意匠はどこにもあしらわれていない。だが、官能的に手首に巻きつくブレスレットや、モダンに引き締まったディテールの中に誘惑的な魅力を秘めた顔立ちは、確かに、あのカルティエのパンテールだった。

狂騒ムードに包まれたこの時代、女性たちは新たなアイコンの誕生に夢中になった。そして伝説が再びよみがえったのは、2017年のこと。「パンテール ドゥ カルティエ」がまたもや彗星のように姿を現したのだ。一段とブラッシュアップされ、この上なくしなやかで、この上なくスタイリッシュなブレスレットウォッチとなって。

映画監督ソフィア・コッポラは、女優コートニー・イートンを主役にしてこの時計のショートムービーを撮影。そこで繰り広げられたのは、エレガントでシック、そしてグラマラスで陽気な「パンテール ウーマン」の世界だった。

時代が移ろえど、女性はパンテールさながらに研ぎ澄まされた嗅覚、俊敏な感性を持つ。このウォッチの抗いがたいフェミニティは、時を超えて未来に伝えられてゆくに違いない。

パンテール ドゥ カルティエ ウォッチ SM

1980年代の陽気でエネルギッシュな時代のムードを反映して生まれた名作コレクション。昨年、ディテールをブラッシュアップして再びよみがえり、大きな話題となったことは記憶に新しい。ブルーサファイアカボションのリュウズ、ブルースティールの剣型針、ローマンインデックス、レイルウェイと呼ばれる分目盛りなど、カルティエの時計のデザインコードを完璧に備える。ブレスレットは手首に沿うしなやかな仕立てで、ジュエリーのような感覚で身につけることが可能。ひと目でこのメゾンの時計とわかるアイコニックな秀作だ。3気圧防水。クォーツ。ケースサイズ30×22mm。YGケース。221万4000円。カルティエ カスタマー サービスセンター 問0120-301-757

Photographs:Hisashi Wadano Text:Keiko Homma

2018年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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