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良質な生地を求めて 〜MLANO UNICA〜


(写真左)ウール100%で機能が兼ね備えられた素材。
(写真右)伸縮性のあるジャージ素材。

イタリアで年2回開催される素材展示会「MLANO UNICA」

世界には、洋服の生地を作るウール生地の産地がいくつかある古くは18世紀の後半に産業革命と共に栄えたイギリスの毛織物。イギリスの生地は、質実剛健な物作りでしっかりと男らしく重い素材感が特徴的である。そしてもう一つは、イタリアの ビエラ産地でイタリアの北西部に位置し、水が綺麗な川に囲まれた地域にある。それが故にしなやかでソフトな上質素材を生み出す特徴的がある。原料も上質なカシミヤやシルクなどの扱いが上手である。今回は、そんなイタリアで年2回開催されるMLANO UNICAという素材展示会に行ってきた。

素材の展示会というのは、各メゾンブランドのデザイナーからメンズテーラーまで幅広くファッションや服に携わる人が集まり次シーズンの素材の仕込みを行なっていく場である。この展示会は、製品のコレクションなどが発表される1年前に開催されているのだ。ここ数年の流れの中で 素材の傾向をファッションデザイナーとしてお伝えしてみようと思う。まずは、ビエラ産地中心とするファブリックメーカーについて話しをしてみよう。

350年〜200年近い歴史のあるビエラのミルは、世界のスーツ生地の原料基地とされ、スーパー120原料などという凄くファインで良い原料を使い光沢感があり上質でしなやかなスーツ生地を作ってきていた。しかし、時代の流れとともにスーツの用途が変化をしている現在、より快適でアフターケアに優れたものや機能を付加した素材感が今求められ始めている。例えばウール100%でもウールの反発性を生かした防皺性、ウォッシャブル、加工ストレッチなど施した物が挙げられる。

他には、ジャージ素材、ジャージライクな凹凸系素材の開発も多く、高級素材メーカーの中にもスポーツ傾向が強まり始めている。その中でもカッコ良く映る素材としては、やはり、3PRY、4PRYと言われる糸を3本、4本使いの強燃の糸で作られたウール本来の反発性を生かした機能素材である。これらは重さがあり、スーツを仕立てた時の保形性がでる。着込むほどに味の出る男らしい生地でもある。そしてもう一つは、涼しげな凹凸のあるサッカーと言われる素材これは通常はコットンで作られていることが多いのだが高級感のあるウールで作られたウールサッカーなどは、非常に大人っぽく映るのである。

そしてよりカジュアルなジャケットやコートの生地は、というと今巷で流行っているポリエステルやナイロンと言った合成繊維よりもリネンやシルク混のものが新しく感じる事が出来る。少しザックとした独特の表情が有り天然素材本来の素材感がジャケットにした時の雰囲気が良さそうである。


(写真左)オリーブカラーなどグリーン系の色目が新しく映る。
(写真右)スクールストライプ などストライプ 柄も多く目立っている。

ウィメンズの素材と色傾向

また、少し視点を変えてウィメンズの素材と色傾向の話に触れてみようとおもう。まず色だがコートやジャケットなどは、カーキオリーブ系からピスタチオにかけての淡めのグリーン系までの色と引き続きであるがダークブラウン〜ヘーゼルナッ系のブラウンまでが多い。新鮮に感じる事のできる色としては、クリームからオフホワイトまでのカラーグラデーションで生成りやオフ白の素材感だけで表現する世界観なども良い感じであろう。また、ウィメンズの流れでもあるがヌードベージュから淡いピンク系の色も多く感じることが出来る。

ウィメンズの素材感としては、インテリアファブリックにあるようなザックリとしたリネン混素材感やレーヨン、キュプラなどといった少しドレープ性のある素材感でスクールストライプ、レジメンタル、マドラスチックなどを連想させる色鮮やかな柄感も多く感じることが出来る。


(写真上)リネン混の色鮮やかなざっくりとした素材感のストライプ
(写真下)マルチストライプの色やマドラスチェックの柄


(写真上)クリームからオフホワイトのカラーグラデーションで表現する世界観

ツラツラと素材のことばかりを熱く語ってしまったが、こんな風に私は、良質な生地を求めてイタリアやイギリスを歩き探し回っている。そこで感じることは、どれも人が時間をかけアイデアを出し、何度も作り試作し作りあげられていること。良いものは時間がかかり、電子レンジのように”チッン“と言ったようにすぐにはできない。「ファッションは廃れるがスタイルは、廃れない」という有名な言葉があるように高くて良い生地で出来たスタイルのある長く着ることのできる洋服をいつも届けたいと私はいつも思っている。

Fashion Designer MR:M

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