3列シートのBMW X7はスポーティだ

ボディサイズは全長5150ミリ、全幅2000ミリ、全高1805ミリ

BMW最大サイズのSUV「X7」が登場した。日本導入を前に、米国で試乗する機会を得た。全長5150ミリある3列シートの大型サイズだが、走りはスポーティである。

私が試乗したのは「X7 xDrive 40i」といい、3リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載し、4WDシステムが組み合わされる。最高出力は250kW(340ps)、最大トルクは450Nmだ。

試乗のスタート地点は、メキシコ国境の町テキサス州エルパソで、そこからアリゾナ州フェニックスまで約500マイル(800キロ)を走った。感心したのは、疲労感がまったくないことだ。

朝食のあとエルパソを出発。途中でランチをとり、フェニックスには夕方到着した。それでも、もういちどその場でUターンしてエルパソに戻れと言われても出来そうなほど疲れを感じなかった。

乗り心地はシートを含めて快適で、室内は静かなのが強く印象に残った。かつ、ドライブが楽しかったのも疲労感の軽減に寄与しているはずだ。BMWはSUV(スポーツユーリティリティビークル)といわずSAV(スポーツアクティビティビークル)と呼ぶように、直列6気筒エンジンは気持ちよく回り、かつトルクもたっぷりと出て、ドライブ中はつねに気持ちが昂揚している。

ステアリングホイールを操作すると車体の反応はよく、この点もスポーティなクルマづくりで鳴らすBMWならではのものだ。エアサスペンション装着の足まわりを持ち、安定しつつ、かつキビキビと走るのだ。

ホイールベースが3100ミリもあるので室内は広い。2列目はベンチタイプに加えて、オプションで独立タイプの2名用を選べる。そこはりっぱなリムジンだ。クッション性もよく身体になじむし、視点が高いので乗っていて気分がいい。

ライバルとしてキャデラック・エスカレードの名もあげられていたが、2車は個性がまったく違う。なぜBMWはいままでこの市場に製品を投入していなかったのだろう。

なぜいま?と質問したら、「ちょうどいいタイミングだと思ったから」と本社の技術者からの答が返ってきた。快適な大型リムジンを探しているひとは、こういう選択肢もあると思う。

X7 xDrive 40iの6気筒は最高出力250kW(340ps)@5500~6000rpm、最大トルク450Nm@1500~5200rpm

 

「オーケイ、ビーエムダブリュー」で起動するボイスコントロールシステムも搭載

 

これは2列目シートが独立タイプとなる6人乗り仕様(写真はオプションの「Design Pure Exellence」装着車)

 

ベースは新型X5(ホイールベース2975ミリ、全長は4935ミリ)だがX7は3列目シートも備えている

 

日本にはこの3リッターのX7 xDrive 40iが導入される予定

 

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

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