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SKAミュージックのブーム再来か? 日本の音楽シーンにSKAミュージックが少しずつ再熱


Kristen Sturdivant

日本の音楽シーンにSKAミュージックが少しずつ再熱しかけてるように感じる。

日本でSKAを演奏するグループといえば「東京スカパラダイスオーケストラ」が群を抜いての知名度がある。
奥田民生、甲本ヒロト、CHARAなど数多くの人気シンガーとのコラボを意欲的におこないながら着実に日本国内において、SKAを大衆的なものにしていった功績はあまりにも大きい。
◾️東京スカパラダイスオーケストラの名前を一気に押し上げることになったヒット曲「美しく燃える森」

 

そもそも「SKA」というのは、音楽ジャンルの一つで、裏拍を強調したリズムが特徴である。
例えば4拍子のリズムを「イチ・ニイ・サン・シイ」と数えた時に、「イ(チ)・ニ(イ)・サ(ン)・シ(イ)」と括弧でくくった場所にリズムのアクセントがくる。
SKAは1950年代のジャマイカで生まれた音楽だが、どうやって生まれたか?には諸説ある。
当時ニューオリンズやアメリカではジャズが生まれ流行していたのだが、電波の弱い中、アメリカのラジオを受信して聞いていた若者が、うまく受信できていない電波が入ったり入りにくくなったりと、ラジオのボリュームが波打つようにアップダウンし、ラジオから流れるジャズの拍の裏を強調していると勘違いして聞こえてしまったのが、始まりだとも言われている。

それに加えてジャズの音楽的に複雑な要素を真似るのはとても困難で、アメリカで流行っているジャズやR&Bに憧れて演奏しているつもりのジャマイカ人は、自分たちも知らず知らず独自の音楽を生み出していきジャマイカン・ジャズとも呼ばれるようになった。

◾️the skatalitesのジャマイカ独立を記念した名曲「freedom sounds」

 

1950年代後半から1960年代の始めになると、ジャマイカにおいて、SKAは絶大な人気を獲得していった。
60年代後半になるとアップテンポなSKAのリズムに飽きた者たちがテンポを落とし、アメリカで主流となりつつあったモータウンやソウルの要素を取り入れて生まれた「ロックステディ」や、70年代になると「アメリカ人がジャズに憧れて出来たSKAに憧れたイギリス人」がそこにパンクの要素を融合し2TONE SKAを生み出したりと、SKAも細分化されていく。

◾️ロックステディを確立したアルトン・エリスのヒット曲「Girl I’ve Got A Date」

◾️2TONEを代表する二大ヒット曲。The Specialsの「Little Bitch」とMadness の「One Step Beyond」

日本においてのSKA

90年代になると日本においても初期のオーセンティックなSKAを中心に演奏するDETERMINATIONSやThe Ska Flamesなどが、知るひとぞ知る人気を獲得していった。
DETERMINATIONSに関しては下積み時代からEGO’-WRAPPINのバックバンドとして演奏を担当するなど親交も深い。
◾️EGO WRAPPIN’ – A Love Song 演奏はDETERMINATIONSが担当している。

 

90年代の後半から2000年代初頭には日本に空前のSKA PUNKブームが到来し、KEMURI、POT SHOT、SCAFULL KING、GELUGUGUなどが人気を博し、日本国内のみならず海外でも高い評価を得るバンドも現れた。
当時、私もSKA PUNKに近い内容のバンドをやっており全国各地を駆け巡っていたのだが、管楽器がバンドに入った7〜10人の大所帯のバンドが沢山存在し、そんなバンドがたくさん集まって朝から晩まで何十組も出演するようなイベントが日本中のライブハウスで行われていた。

しかし2000年代の中頃にかけて、チャートを賑わす音楽がヒップホップやR&Bなどの打ち込みの楽曲が増えてくるのと当時に、大所帯のバンドは経費が沢山かかるという点もあるのだろうか、音楽のみならず暑苦しくオラオラしたものよりもクールでゆるいものを好む若者が増えたのも相まって、SKAを演奏するグループの数も激減。
ここ15年でイベントの数も驚くほど減った。

そんな中、ここ数年、SKAの人気が再熱しつつある。言葉は悪いが「同じようなバンド」が多数存在した90年代のスカパンクブームの頃からも一線を画して独自の路線を築き上げてたバンドは今も活躍しているし、ここ15年の厳しい時期の中でも、オリジナルのSKAに固執せず工夫を凝らして柔らかい考えでやってきたグループは人気を獲得したりしている。

◾️結成16年 元祖ガールズSKAバンド オレスカバンドの「Carry On!」

 

今や日本中の野外フェスに引っ張りだこの人気パンクバンドHEY-SMITHも根底にはスカパンクは存在しているが、スカパンクの裏打ちのリズムに固執せずジャンルの幅に自由度を持たせたのも成功の理由だと思う。
先述したようにそもそもSKAはいろんなものが混ざって生まれたジャンルであって、現代には現代のSKAがあって構わないのだろう。

◾️HEY-SMITH – California

 

とくに近年は冒頭に記述したスカパラの功績も大きいだろうが、スカパラもSKAをベースにはしているが、ジャズやラテンの楽曲も存在するし、逆にJAZZバンドTRI4THが最近SKAの楽曲を取り入れたりしているが類い稀れなる演奏技術の高いグループだけにJAZZのフレーバーが強めの新しいSKAが生まれている。

◾️FULL DRIVE / TRI4TH

 

今ちょうど巷では90’sのアメリカにおけるSKAにせまるドキュメント映画「PICK IT UP!」も話題になっているし、90年代のブームを知らない若い世代には新しい音楽に感じるものもいるだろう。
SKAはカッコいいのだ!とバンドを続けながら声にしてきた人たちの成果が少しずつだが確実に動き始めている。

一周して、また近い将来、日本中のライブハウスでSKAバンドに溢れ、出演者が多すぎて楽屋が荷物置けないくらい狭い!と困る日が来るに違いない。

writer : 西崎ゴウシ伝説

writer : 西崎ゴウシ伝説

エンタメジャズバンドCalmera(カルメラ)のリーダーでアジテーター。
楽曲によりボーカル、トランペット、パーカッション、ギター、キーボードなども担当する。
現在、占い師ゲッターズ飯田氏とのコラボレーションツアー「better fortune'n jazz2019」とアルバムリリースツアー「ThanX!!! Worldwide Tour 2019」を同時進行中。
2019年5月29日に11thアルバム「浪花OVER-BLOW」を発売。

<カルメラ official web>
http://www.calmera.jp

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