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de GRISOGONO ガルーシャストラップの大いなる先駆け

まもなく21世紀が訪れようとする2000年の11月、サザビーズでユニークなオークションが開催された。題して「オ・クーラン(潮流を読む)」。将来が有望視される新進ジュエラーやデザイナーをサザビーズが選抜した、特異なオークションだ。つまり、ここに出品された品々は、時を経ても価値を失わない「未来のヴィンテージ」として業界きっての目利きが選んだもの、ということになる。

登場したのは、当時ハイジュエリーコレクションをスタートしたばかりだったシャネル、イタリアの老舗カンタメッサ、数々のメガブランドにデザインを提供していた気鋭ロレンツ・バウマーやミケーレ・デラ・ヴァッレという、今となっては驚くばかりの華々しい顔ぶれ。選ばれた11のジュエラーやデザイナーの中に、1993年に創業したドゥ グリソゴノも含まれていた。

出品されたのはサザビーズお墨付きのジュエリーばかりである。将来を見込んだ投資家や趣味人がこぞってパドルを挙げ、セール会場は異様な雰囲気に包まれていたという。ドゥ グリソゴノの6点のジュエリーも、1点を除きすべてが落札された。特に人気が集まったのは、ブラックダイヤモンドのパヴェだった。

こうしてドゥ グリソゴノはジュエリー界に、ブラックダイヤモンドの熱狂的なブームを巻き起こすことになったのだ。ドゥ グリソゴノのレディスウォッチ「ピッコリーナ」のリュウズには、ブラックダイヤモンドがさりげなくひと粒。いかにもこのブランドらしい気の利いたあしらいだ。

また、ストラップの素材はガルーシャ(アカエイの皮)。つややかなキャビアを思わせる質感は、ブラックダイヤモンドのパヴェにも通じるものがある。実はこのブランドは、時計界にガルーシャスキンのブームを巻き起こしたことでも知られる存在なのだ。

ジュネーヴを本拠として活躍するドゥ グリソゴノは、今やジュエリーと時計の両面において、押しも押されぬインターナショナルブランドとして華麗に羽ばたいた。「オ・クーラン」の目利きの正しさを、身をもって証明したのである。

ピッコリーナ

時計ケースとブレスレット部分がきれいに一体化したデザインには、ジュエラーならではのこだわりが光る。クォーツ。ケースサイズ30.1×27.9mm。3気圧防水。18K WG、ダイヤモンド(計58石、1.37カラット)、ブラックダイヤモンド、ガルーシャストラップ。280万8000円 ムラキ 問03-3273-0321

精緻なギヨシェがほどこされたシルバーダイヤル。4と8のアラビア数字がアクセントとして効いている。

Text _KEIKO HOMMA.
Photographs_TAKESHI HOSHI.
Styling_KATSUYA KUBOKAWA.

2016年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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