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Cover story 偉大な美神のエスプリがちりばめられたシルエット

シャネルのウォッチを身に着けるとき、20世紀のミューズ、ガブリエル シャネルの人生について思いを馳せずにいられない。彼女にまつわる印象的なモチーフが、ディテールに多々あしらわれているからだ。

この「プルミエール」のケースのフォルムが何を表しているか、すぐに気づく人は多いだろう。シャネルが1921年に世に送り出したフレグランス「シャネルNº 5」のボトルストッパーの形だ。

彼女が長年暮らしたオテル・リッツがあるヴァンドーム広場も、俯瞰するとやはりこの形になる。恋人だったウェストミンスター公爵から贈られた豪奢なエメラルドの形にも似ているし、好みの調度品で飾られたアパルトマンの古い鏡もこのような形をしていたという。

1987年に初のモデルが発表された「プルミエール」は、彼女の驚異的な人生をいろどるシンボルが巧みに織り込まれたデザインなのだ。2014年に誕生したのは、いかにもこのメゾンらしいチェーンをくるくると3重に腕に巻きつけるデザイン。

ファセットをほどこしたサファイアクリスタルは宝石のごとく輝き、ロングチェーンはジュエリーのような感覚で腕を飾る。文字盤にインデックスはなく、時分針とロゴだけが浮かび上がる。若きガブリエル シャネルは腕時計を身に着けることが少なかったというが、それはもしかしたら時間の束縛から自由でありたいという、彼女の強い意志の表れだったのかもしれない。

そしてこの文字盤もまた、自由に生きようとした彼女の精神を表しているのだろう。

CHANEL

プルミエール トリプル ブレスレット

シャネルのウォッチを代表するコレクションのひとつ「プルミエール」は、ひと目でこのメゾンとわかる個性豊かなデザインが目を引く。レザーを編み込んだチェーンストラップは3重に巻ける長さ。クォーツ。ケース幅23.6×15.8mm。SS。オニキスカボション。問/シャネル(時計) 問0120-159-559

Photos by Fumito Shibasaki

2014年11月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)

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