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舞台は海へ。ミッションウォッチの 新たな挑戦

Photographs:Noboru Kurimura

時計業界では珍しく、パリで発祥したブランド「ベル&ロス」。優れた機能性と洒脱なデザインを組み合わせた時計たちは、2005年に発売した「BR」シリーズによって大ブレイクした。投資銀行出身のカルロス・A・ロシロとデザイナーのブルーノ・ベラミッシュという高校時代の同級生によって、1992年に立ち上げられた時計ブランド「ベル&ロス」。スイスブランドが多い中、彼らは拠点をパリに置き、洒脱で洗練されたデザインによって人気を博す。

初期はミリタリーウォッチを現代的にアレンジした「ヴィンテージ」シリーズが人気を集めたが、一気にブレイクスルーを起こしたのは、2005年に誕生した「BR」シリーズだろう。このモデルはコックピット計器をそのまま腕時計にしてしまうという大胆なコンセプトだったが、計器特有のインダストリアルな美しさや視認性の良さ、そして頑強さなどが評価されて大人気を博し、一躍メジャーブランドへと駆け上がった。ミリタリーウォッチが“陸”、BRシリーズが“空”であるならば、次は“海”へと、カテゴリーを広げていくのは当然のこと。

初期のベル&ロスには「ハイドロマックス」というハイスペックダイバーズが存在していたが、これは協力関係にあったドイツのSINN社の技術を使ったモノ。ここで得たノウハウを生かし、2008年からスタートさせたのが、ダイバーズウォッチの「BR 02」シリーズだった。このモデルは3針で1000mもの防水性能を備えるプロスペック仕様で、強烈な水圧に耐えるための肉厚なトノー型ケースが特長だった。しかしベル&ロスは、進化を止める事はない。時計のデザイントレンドが、重厚さから軽やかさへとシフトしていく状況を見て取ったブルーノ・ベラミッシュは、新しいダイバーズウォッチのスタイルを構築する。

一つは洗練されたラウンドケース。新作である「BR V2-92 ブラックスティール」や「BR V2-94 ブラックスティール」は、防水性能を100mに抑えるかわりに、ケースデザインをスマートに仕上げることで、日常的に使えるタフウォッチを完成させた。 もう一つは角型ケースの「BR 03-92 ダイバー」。そもそもダイバーズウォッチのケースは、ケースバックをねじ込み式にすることで、水の侵入を防ぐのが定石。しかし角型ケースの場合はねじ込むことができないので、四隅をビスで固定する仕組みになる。

それでも300mもの防水性能を確保しているのだから、いかにベル&ロスのケース技術のレベルが高いのかがわかるだろう。ベル&ロスは、“陸”“海”“空”の全てで、魅力的なデザインと確固たる機能性という自分たちのスタイルを明確に示すことに成功した。これは快挙である。

右:「BR V2-92 ブラック スティール」。自動巻き、SSケース、ケース径41㎜。37万8000円、左:「BR V2-94 ブラック スティール」。自動巻き、SSケース、ケース径41㎜。61万5600円/ともにオールブルー

角型ケースながら、300m防水を実現。視認性に優れたデザインは洗練の極みであり、一般的なダイバーズとは一線を画する出色の出来。「BR 03—92 ダイバー」。自動巻き、SSケース、ケースサイズ42×42㎜。48万6000円/オールブルー

上:コックピット計器をそのまま時計にしてしまうという大胆なアイデアは、まず空軍パイロットたちから注目され、その後はファッション業界の関係者からも愛用されるようになった。右下:一瞬で情報を読み取らなくてはいけないコックピット計器は、視認性に優れ、デザインも秀逸。それゆえ時計に取り入れると、武骨なのに機能的なのだ。これを洒脱にまとめるのが、ベル&ロスの得意技だ。左下:右がデザインなどクリエイティブ面を担当するブルーノ・ベラミッシュ、左が経営を担当するカルロス・A・ロシロ。

2016年3月「HORLPGERIEI」本誌より引用(転載)

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