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A.Lange & Söhne ACADENY 素材選びから仕上げまで独自の哲学を頑固に貫くA.ランゲ&ゾーネ

高級時計ブランドには独自の製品哲学がある。だが、哲学が具体的に製品にどう反映されているか、ディテールは企業秘密の壁に隠されている。

A.ランゲ&ゾーネはこの核心を公開する世界唯一のブランド。「ランゲアカデミー」という特別セミナーでその核心部分を実体験させている。これは「他社にはできない」という絶大な自信があるから。この少人数制の特別セミナーに参加できたので、その内容をご紹介しよう。

セミナー1日目に体験するのは、テンプ受けの仕上げとエングレービング。電動式の研磨機でパーツの縁の角を落とした後、タガネで装飾模様をひとつひとつ手作業で刻んでいく。A.ランゲ&ゾーネのテンプ受けはすべてこの過程で作られる。テンプ受けのひとつひとつが手作業で作られ、同じモノがひとつもない「芸術作品」であることを参加者は身をもって理解できる。

さらに2日目に体験するのは、ムーブメントを組み上げてから再度分解、パーツに装飾加工を施してから組み直す独自の「2度組み」工程。装飾前の地板からゴールド製のシャトンを取り外して手作業で磨き、微小なネジで装飾加工を施した地板に組み付ける。

ドライバーの先が少しでも触れたら、傷が付いて地板は不良品になる。製品のひとつひとつが、まさに「手作りの芸術品」であることを自分の手で実感させられた。

グランド・ランゲ1 ムーンフェイズ

99.998%正確な月齢を表示するランゲ1の最新モデル。446点のパーツで構成されるこのモデルのキャリバーL095.3も手彫りのテンプ受けを搭載し、2度組みで製作される。手巻き。イエローゴールドケース。

ランゲアカデミーの様子。セミナー受講者にはCEOのヴィルヘルム・シュミット氏から修了証が授与される。なおA.ランゲ&ゾーネのムーブメントは一般的な真鍮製ではなく、硬く耐久性に優れるが加工が難しいジャーマンシルバー製。わずかな水分でも錆びるからその扱いには細心の注意が必要。この点もセミナーで初めて知ったランゲの驚くべきこだわりのひとつ。

Text by Yasuhito Shibuya

2014年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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