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映す、見下ろす、一望する。瀬戸内の多彩な美を愛でる旅。

潮溜まりに夕焼け空が「映える」マジックアワーを狙って香川県父母ヶ浜へ。

香川県三豊市の父母ヶ浜は、ここ数年「日本のウユニ塩湖」と呼ばれて人気を集めている。干潟の潮溜まりに鏡のように映る幻想的な空や人の姿が「映える」のだ。11月下旬、まだ本格的な寒さもない時期に、瀬戸大橋を越えて浜を目指した。

干満の大きな大潮の日を狙い、お昼前に大阪市内を出発。途中、休憩を取りながら約3時間半のドライブだ。

午後3時、現地はあいにくの曇り空。きれいな夕日を狙っていたが、かなり厳しそうだ。駐車場に車を停め、腰の高さほどの防潮堤を越えれば、非日常的な干潟の風景が広がっていた。干潮まであと2時間、すでに干潟は広すぎるほど広い。

海は潮溜まりを作りながら、さらに遠くへ逃げ続け、浜には緩やかに弧を描いた流路が描かれていた。

干潟にはちらほらと人が歩き、遠く波打ち際まで点々と人影が見える。歩き出すと、意外と砂はしっかりとして、重さを支えてくれる。田んぼのように沈むことはない。干上がった砂浜には砂紋が美しく描かれている。

歩くと踏むことになるが、簡単にはへこまない。表面が引き締まり、中がフワッと少し柔らかい二層構造。和菓子の『きんつば』のようなイメージだ。その踏み心地はかなり癖になる。

流れているところを避けながら沖へと歩を進める。途中、潮溜まりではグループやカップルが思い思いのポーズで撮影会。しかしながら、天気よりも風が撮影を邪魔する。風が吹き抜けると波紋が立ち、鏡にはならないのだ。

途中まで歩いたが波打ち際まではまだまだ遠い。天気の回復を願いつつ、夕日の時間まで駐車場近くのハンバーガーカフェで過ごすことにした。おしゃれな佇まいで、カウンターからは浜が見通せる。他にも浜にはコーヒースタンドなど、いくつかお店が出ている。

寒さ対策なのかお店の横に火を焚いて、椅子を置いているところもあった。午後4時を過ぎると車も増え、観光バスが何台もやってきた。写真愛好会や社員旅行、募集型のバス旅行などいろいろだ。驚かされたのは大陸系と思われる人々。

日本でもまだ知っている人の方が少ないと思われる父母ヶ浜に、かなりの人数がやってきていた。SNSなどによる情報の拡散によるものらしいが、「こんなところまで…」というのが正直な感想だ。

夕日の時刻が近づき、再び干潟へ。天候は回復していなかった。それでも風が止むと何とか鏡のようにはなる。小さな潮溜まりで撮影していると、おじさんが話しかけてきた。訪れた人のシャッターを押してあげるポランティアとのこと。ほぼ毎日、夕方には来ているという。

適当な潮溜まりを見つけ、カメラをギリギリまで低くセットし、的確にポーズを指示してくれる。カップルにとってはありがたい存在だ。そうこうしているうちに残照もなくなり、たくさんいた人もどんどん少なくなってきたので撤収。

この日は車で15分くらいの道の駅ふれあいパークで宿泊する。この施設にある天然いやだに温泉大師の湯は肌がツルツルになって冷えた身体にはとくにおすすめだ。

海と里を急峻な山頂から見下ろす「天空の鳥居」高屋神社

当初のプランでは、翌日は丸亀や高松を抜けて鳴門から淡路島を通るルートで帰るつもりだった。ただ前日、浜でシャッターを押してくれたおじさんから近くのおすすめスポット情報をもらっていた。

高屋神社といい「天空の鳥居」として最近とても人気だという。まずは、詫間の街でモーニングうどんを食べてそちらに向かう。特にこだわらず道沿いにあったお店に入ったが味は二重丸。

いりこの効いた出汁が新鮮でおいしかった。その後、対向しにくい細めの道をどんどん上へ。山々の紅葉が美しい。駐車場から急坂を5分ほど歩くと、その鳥居は突然現れた。高所恐怖症の人はめまいを覚えそうな絶景。

足元には所々崩れた急階段。商売っ気なく、露店もない。しかし、それがいい。僅かばかりのお賽銭で申し訳ないと思いながら、感動させていただいたお礼を込めて参拝した。

紫雲出山の展望台やカフェからはのどかな多島美を満喫。

その後、瀬戸内に大きく突き出した荘内半島にある紫雲出山へ。メルヘンのような素敵な名前に惹かれて行ってみたいと思ったのだ。こちらは瀬戸大橋まで望める多島美が素晴らしい。桜の名所として地元で有名とのこと。

展望台近くのカフェはたまたま他のお客様がいなくて、カウンターの特等席を確保。用意されている双眼鏡で少年の気分を味わいつつ、のんびりとしたいい時間を過ごすことができた。

結局、予定は大きく変わり、昼過ぎに再度、父母ヶ浜へ。天気が良かったので夕日が見られたらと思ったのだが、その後、雲が出て前日と変わりばえのしない天候だった。ただ、空を映す海、鳥のような気分で眼下に見下ろす海、そして島影をワイドに見渡す海をそれぞれ堪能。

瀬戸内の多彩な美しさを再発見する旅となった。

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