HORLOGERIE MEETS CAR McLaren 570GT

サーキットのスピード感を
体感できるスーパースポーツカー

F1において輝かしい実績を残してきたマクラーレン。その強さの原点でもある速さ、耐久性を融合させたテクノロジーを、「スポーツシリーズ」にも注ぎ込んだ。刺激的かつ官能的なその魅力に迫る。2015年春のニューヨーク・モーターショーにて発表されたマクラーレンの「スポーツシリーズ」。540Cと570Sからなる新シリーズは、リーズナブルながら素晴らしいパフォーマンスで、世界中のスポーツカー愛好家を歓喜させている。

ところが、デビューから間もないはずの「スポーツシリーズ」に、マクラーレンは早くも魅力的なバリエーションモデルを提案してきた。それが今年3月のジュネーヴ・モーターショーにてワールドプレミアに供された「570GT」である。570GTは、スポーツシリーズの中でも上級に当たる570Sのルーフ後半部をモディファイ。現代のマクラーレンのハイエンド「P1」のルーフにも使用された「サウンド&ソーラーフィルム」を貼ったガラス製ハッチゲートを組み合わせたモデルである。

ラゲッジスペースは、座席背後のみでも220リッター。フロントの「ブート(トランクの英国式表記)」と合わせれば370リッターという、ミッドシップのスーパーカーとしては圧倒的な収納力を誇る。この実用性と引き換えに、540Cと570Sの特徴たるスマートなルーフラインこそ若干失われたが、横開きのハッチゲートが描き出すスタイルは、ちょっとキュートで魅力的とも言えよう。また本国仕様のスペックによると、車両重量は570Sの1313kgから1350kgに増加。

0-100km/h加速は570Sの3.2秒に少しだけ劣る3.4秒となっているものの、最高速はまったく同等の328km/h。「スーパーカー」と呼ぶに相応しい性能は保持されている。さらにサスペンションも、前後とも少しだけスプリングレートを落とし、乗り心地を優先した専用チューンとされるが、これまでもシャシーのセットアップ能力では定評のあったマクラーレンのこと。走りと快適性を見事に両立したもの、と評されているようだ。

ところで、自動車界で長らく憧れの対象とされてきた「GT」という言葉は、イタリア語の「Gran Turismo(グラントゥリズモ:大旅行)」のイニシャル。転じて、高速の長距離ドライブをも得意とするスポーツカーを意味する。そしてマクラーレン社が自ら「スポーツシリーズ」と標榜するように、当代最高のピュアスポーツの一つである570Sの資質はそのまま「GT」としてブラッシュアップした570GTは、GTの伝統を忠実に体現したモデル。まさに現代を代表するGTのひとつなのだ。


1.フロントから見たスタイリングは、570Sと大きくは変わらないクールかつスマートなもの。


2.シンプルながらスタイリッシュでラグジュアリーなインテリアは、スポーツシリーズ全車に共通するデザイン。


3.1960〜70年代に同じ英国から生まれた歴史的名車、ジャガーEタイプを彷彿とさせる横開きのハッチゲート。その下には、ミッドシップスポーツカーとしては驚くべき、容量220リッターのラゲッジスペースが展開されている。

540C

2015年上海モーターショーでデビューした、マクラーレン「スポーツシリーズ」のエントリーモデル。V8ツインターボエンジンは、車名が示すとおり540psを発生する。ベーシックモデルとはいえ0-100km/h加速で3.5秒、最高速度は320km/hというパフォーマンスは、スーパーカーとして不足はまったくない。

570S

2015年ニューヨーク・ショーにて発表。「スポーツシリーズ」最高性能版で、エンジンは540Cより30psアップの570psをマーク。0-100km/h加速3.2秒、最高速度328km/hという当代一流のスーパーカーである。またカーボンディスクブレーキなどの装備についても、540Cから格段に上級化されている。

マクラーレン東京 Tel.03-6438-1963
マクラーレン名古屋 Tel. 052-528-5855
マクラーレン大阪 Tel.06-6121-8821
マクラーレン福岡 Tel.092-611-8899

Text_HIROMI TAKEDA.

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