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-日本代表躍進のきっかけを作った名将エディージョーンズ-

エディの凄いところは、政治力・情報力・分析力・実行力・経験、そしてそれらを駆使した準備力にあります。政治力は、世界の強豪チームと試合を組むこと(ラグビーにはウインドウマンスと言って、6月と11月に各国の代表戦が行われます。只、期間が限定されている為、強豪チームは強豪チームとしか基本的に試合を組まないので、2番手グループは中々強豪との試合という経験を積むことが出来ませんでした)、世界で指折りのコーチやスタッフを招聘したことです。

特に日本人の弱みであったフィジカル・スクラム・ラインアウトをそれぞれのエキスパートに徹底的に鍛えてもらいます。肉体を極限まで鍛え、日本人でも大きな外国人に何とか立ち向える身体を手に入れ、しかも日本人独特の繊細さや統制力を研ぎ澄ませ、1対1なら不利な状況を皆で力を合わせることによって凌いだのです。タックルはダブルタックルと言って上半身と下半身に二人がかりで大きな相手に立ち向います。

通常、ダブルタックルをすると何処かでディフェンスの人数が足りなくなるのですが、フィットネスを極限迄鍛え、倒れては直ぐに立ってまたタックルを繰り返すことにより、寝ていてプレー出来ないプレイヤーの人数を相手チームより減らし、ダブルタックルのデメリットを消し去ったのです。スクラム等は1センチ単位で足の置く位置等を修正し、どうやれば一番皆の力が集約し相手に強い力が伝わるのか延々と練習したのです。

情報力は、世界中の優秀な成績を残したあらゆるジャンルのスポーツチームを研究し、直接各チームの監督を訪問し参考となる情報を収集する等して、自分達の練習や戦略構築に利用しました。時には、総合格闘技で名を馳せた高阪剛からタックルのコーチングを受け、小が大を制する世界に類をみない低いタックルを完成させ、世界中のチームから恐れられたりもしました。また、GPSやドローンからの空中映像等のハイテク機器をフル活用し、そこで得た情報を解析し、各個人のコンディション管理・フィジカル強化・オフェンスやディフェンス時の各人の動き等を徹底的に詰めていったのです。

実行力ですが、科学的・精神的要素の両面から選手にアプローチし、朝5時半から始まる3部練習を年間100日以上遂行したのです。元々ハードなトレーニングには耐性のある日本代表の面々が、2度とあんなに苦しいことは出来ないと言う位に選手達を追い込んだのです。しかし、そんな中で選手達が口々に言うのは、最もハードワークをしていたのはエディだと。練習後のビデオによる分析や戦略構築で、いつ寝ているか分からない位働いていたとのことです。

綺麗な形の練習をしがちな日本のスポーツですが、エディは絶えず上手くいかない要素を練習に忍び込ませることにより、あらゆるミスを練習中に発生させ、それでもパニックにならない練習を繰り返したようです。試合で起こる全てのことを想定しておくのが重要というのがエディの考え方です。ラグビーではレフリーが絶対的な存在であり、そのジャッチが試合を大きく左右します。しかし、ルールが曖昧で各レフリーの裁量に大きく依存する部分があり、結果レフリーにより反則の解釈に誤差が生じるのです。

野球で例えると、審判によってストライクゾーンに差があるようなものです。2015年9月19日に行われる南アフリカのレフリーは事前に決定していたので、エディは日本のトップレフリーに依頼して、そのレフリーが近年に笛を吹いた試合全てを分析してもらい、笛の吹き方にどのような傾向があるか丸裸にしたのです。そして、前年にそのレフリーを日本に招待し、実際に試合で笛を吹いてもらい、選手にレフリーの癖を実感させたのです。

また、前年に南アフリカと対戦する試合会場に選手を行かせ、同じホテルに宿泊し、当日と同じ時間にホテルを出発し、翌年に行われる実際の試合当日のシミュレーションも実施したのです。ワールドカップを知り尽くしているエディは、メディアも上手く利用し、メディアでレフリーに対するコメントを大々的に行い、日本に不利な笛にならないように牽制したのです。勿論これはレフリーが意図して日本側に不利な笛を吹くことを防止するという意味ではなく、潜在的にそうなる要素を取り除いたということなのですが。

to be continued

ライター:中路由人(なかじゆうと)

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