ヴァシュロン・コンスタンタン 深遠なるアートピースの世界

スイス時計の世界には、長い歴史を誇る名門メゾンは少なくない。だがヴァシュロン・コンスタンタンは約260年を超えるその長さと、創業当時から現在まで一貫する卓越した芸術性で、異次元、別格の存在だ。最新のスケルトンモデルもその伝統にふさわしい芸術的な逸品である。

メティエ・ダール・メカニカル・アジュレ 上品なアーチ型構造、光と影の華麗な演出を特徴とする19世紀に建築されたヨーロッパの鉄道駅。その美しさを想起させる芸術的なハンドエングレービングを施した完全自社開発製造の機械式ムーブメント、キャリバー4400SQ。その機械美にさらに、メゾンが誇るグラン・フー(高温焼成)エナメルのリング装飾で繊細な彩りを添えた芸術的なアートピース。手巻き。各/ヴァシュロン・コンスタンタン

こちらはブラックエナメルのリング装飾が施されたハイジュエリーバージョン。バゲットカットの42個のダイヤモンド(総カラット数約2.0カラット)が、芸術的な外観にさらに華やかさを添える。/ヴァシュロン・コンスタンタン

1755年、創業当時の時計工房を描いた絵画。キャビノティエと呼ばれていた時計師たちは、窓際に作業机を置き、窓から差し込む自然光で時計作りを行った。この工房のスタイルは、ジュネーブのケ・ド・リルにある現在のブティックに再現されている。

(左)創業者のジャン=マルク・ヴァシュロン。優れた時計師であり、当時彼の手で製作されたといわれる芸術的な懐中時計がメゾンに今も残っている。(中)1819年に共同経営者となりメゾンを発展させた立役者、フランソワ・コンスタンタン。(右)数々の新しい工具を設計・導入し、部品の精度を飛躍的に向上させ、メゾンの名声を高めた時計技師ジョルジュ=オーギュスト・レショー。

Photos by Noboru Kurimura
Text by Yasuhito Shibuya

2014年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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